「なぜ、こんなに強い化学薬剤が、当たり前のように使われているのだろう?」
ヘナや自然なお手入れを始めるにようになってから、私はこの疑問を何度も感じてきました。

先日、コバシャールさんのYouTubeに出演させていただき、動画へのたくさんのコメントを読ませていただくなかで、この問いは、私ひとりのものではないとあらためて思ったのです。

上條出演のコバシャールさんのYoutubeチャンネルはこちらから!

美容業界(美容室)は、「きれいにする」「変身させる」ことを使命として発展してきました。
その一方で、効率やスピード、経済性が優先されるなか、強いパーマ剤やカラー剤が“当たり前”として定着していった歴史もあります。

それは決して、誰かが悪意をもって選んできた結果ではないのかとも思います。
むしろ、経済を回す仕組みのなかで、最も使いやすく、結果が出やすい方法が選ばれてきた、という側面が大きいのだと思います。

ただ、その「当たり前」に、私たちはどこまで自覚的だったでしょうか。

今回のブログではなぜ強い化学薬剤が認可され、流通し続けているのか、そしてその背景にある構造について、
美容の現場を長く見てきた一人として、整理してみたいと思います。

認可されている=無害、というわけではない

なぜ強い化学薬剤が認可され、流通し続けているのか。
その理由を考えるとき、まず押さえておきたいのは、「認可=無害」ではないという点です。

日本の薬事制度では、化学薬剤に対して完全な安全性が求められているわけではありません。
定められた濃度や使用方法、管理体制のもとであれば、「許容できるリスクの範囲」と判断され、認可されます。

化学薬剤は経済を回しやすい

強いパーマ剤やカラー剤は、美容業界の仕組みのなかで非常に扱いやすい存在でした。

・施術時間が短い
・仕上がりが安定しやすい
・技術の標準化がしやすい
・売上や回転率を確保しやすい

多くの人を限られた時間で施術する必要がある美容室にとって、これらは大きな利点だったと言えます。

一方、ヘナをはじめとする植物由来のケアは、時間と手間がかかり、個人差も大きく、結果が出るまでに時間を要することがあります。

効率やスピードが重視される流れのなかで、自然派の方法が主流になりにくかったのは、ある意味、必然だったのかもしれません。


見られてきたのは「短期的な安全性」

認可や安全性評価で主に確認されてきたのは、短期的な影響です。

・急性の刺激
・目に見える炎症
・限定条件下でのアレルギー反応

一方で、長年にわたる使用による影響や、頭皮からの慢性的な吸収、美容師自身が日常的にさらされる職業曝露については、十分に検証されているとは言い難い部分があると感じています。

影響がすぐにあらわれない場合、それは「問題がない」と扱われやすく、不調の原因も体質や年齢、生活習慣によるものと片づけられがちです。

その結果、問題があっても社会的には見えにくいまま、長い時間が経ってきたのではないでしょうか。


私たち自身も、強さや即効性を求めてきた

強い化学薬剤が当たり前になっていった背景には、私たち消費者、利用者側の選択もあります。

・すぐに変わりたい
・しっかり染めたい
・長持ちする仕上がりがほしい

こうした要望に、最もわかりやすく応えてきたのが、強い化学薬剤でした。

需要があるところに、供給は生まれます。この構造のなかで、強い薬剤は長く使われ続けてきたのだと思います。

「当たり前」を見直す、という選択

ここで誰かを責めたいわけではありません。過去の選択を否定したいわけでもありません。

ただ、「当たり前」とされてきたものを、一度立ち止まって見直してみる。
今ようやく、そんな時代になってきたのではないでしょうか?
私は、みなさんからのYoutubeコメントを読み、そう実感しました。

これから先、どんな方法を選ぶかは人それぞれです。

時短を優先する時期もあれば、手間をかけてでも心地よさを大切にしたい時期もあります。

自分の髪を、自分で選ぶということ

大切なのは、流行や業界の仕組みに流されるのではなく、今の自分にとって何が合っているのかを、自分で選ぶこと

強い化学薬剤を選ぶ人がいてもいい。
自然なお手入れを選ぶ人がいてもいい。

どちらが正しい、という話ではなく、
その選択を「自覚的にできているかどうか」。
そこに、これからの美容のあり方があるのだと思います。

私自身も、自分の髪や体との向き合い方を今後も考え、選択していきたいと思っています。

最後に、コバシャールさんのYoutubeチャンネルに出演させていただいたこと、たくさんの反響をいただけましたことを、心より感謝申し上げます。

美容・ヘアライター/上條華江(はなはな)