よくある質問「ヘナって明るくならないんですよね?」

みなさんからのよくある質問に答えるシリーズ!
今回は「ヘナって髪が明るくならないんですよね?」にお答えします。

多くの日本人の髪は黒髪です。この黒髪をつくっているのがメラニン色素です。

このメラニン色素はとても強く、基本的には「色を重ねるだけ」では明るくなりません。

では、なぜヘアカラーをすると髪は明るくなるのでしょうか?

簡単に言えば、ヘアカラーで髪が染まるとき、髪の内側で化学反応が起きているからです。

ヘアカラーは「脱色」と「発色」をおこなっています。

ヘアカラーは「第1剤」と「第2剤」を混ぜて使います

ヘアカラーは「脱色」と「発色」を同時におこなっています。そのために使われるのが「第1剤」と「第2剤」です。

美容室でこの2つを混ぜている様子を見たことがある方は、少ないかもしれません。
多くの場合はバックルームであらかじめ混ぜられ、すでに混ざった状態のものが塗られていきます。

私もこんなふうに、「1剤」と「2剤」が混ざったヘアカラー剤を
美容室で塗布していました。



市販のヘアカラーや白髪染めを使ったことがある方は、「1剤」と「2剤」を混ぜる工程を体験したことがあるのではないでしょうか。
では、その「混ぜる」という工程を経て、髪の中では何が起きるのでしょうか。

※下の図をご覧ください。

市販も美容室のヘアカラー(白髪染め)も、基本は同じ仕組みです

このように、市販のカラー剤でもA剤(1剤)とB剤(2剤)を混ぜて「混合クリーム」を作る工程があります。

つまり、市販であっても美容室であっても、基本の仕組みは同じです。この2つが混ざることで、髪の中では反応が始まります。

まず、アルカリ剤によってキューティクルが開き、薬剤が髪の内部に入りやすい状態になります。

そのうえで、
・メラニン色素の分解(脱色)
・染料の発色
が同時に進みます。

明るくなるということの正体

ここまで来ると分かるように、髪が明るくなるというのは、ただ色を入れたり、のせたりしているわけではないのです。

もともとの色(メラニン)が分解されることで髪は明るくなり、そこに染料が発色することで色味がつくられています。

この「脱色」と「発色」が同時におこなわれる。これが、今のヘアカラーの仕組みです。

いいか悪いかは別として、この仕組み自体はとてもよくできているな、と私は感じています。

さて、ここで少し補足です。

この一連の反応は「酸化反応」と呼ばれ、染料が発色するときには酸化重合という化学反応が起きています。

その過程で、活性酸素も発生します。

活性酸素は、体の中でも問題になることがある物質ですが、髪や頭皮にとっても影響があると考えられています。

こうした反応の積み重ねが、白髪や薄毛、髪質の変化、老け髪につながる一因とも言われています。

ヘナが明るくならない理由

ここで最初の疑問に戻ります。「ヘナって明るくならないんですよね?」

はい、その通りです。

ヘナには、このメラニン色素を分解する仕組みがありません。だから、黒髪が明るくなることはありません。

何かしらの髪を明るくする薬剤と併用しない限り、明るくはならないのです。

【補足】市販のカラー剤のほうが傷むと言われるのはなぜ?

市販のカラー剤のほうが髪が傷むと言われるのはなぜでしょうか。

実は、「市販だから特別に傷む」というよりも、作られ方と使い方の違いが大きいのです。

まず前提として、サロンカラーも市販のカラー剤も先ほどの説明通り、仕組み自体は同じです。

1剤と2剤を混ぜることで、

・アルカリ剤でキューティクルを開く
・メラニン色素を分解(脱色)する
・染料を発色させる

という反応が起きています。

つまり、「明るくなる」ということ自体は、どちらも同じプロセスを通っています。

違い① 誰でも染まるように作られている

市販のカラー剤は、誰が使ってもある程度しっかり染まるように作られています。

そのため、

・やや強めの設定になっていることが多い
・均一に反応しやすい設計
になっています。

一方で美容室では、髪の状態に合わせて薬剤を調整することができます。

違い② コントロールの有無

市販の場合は、基本的に一律の薬剤を全体に使います。

一方で美容室では、

・根元と毛先で薬剤を変える
・塗り分ける
・時間を調整する

など、細かいコントロールができます(美容室の価格帯にもよります)。

この差が、仕上がりやダメージの出方に影響します。

違い③ 塗り方とダメージの蓄積

市販の場合は、どうしても全体に一気に塗ることが多くなります。

すると、すでに染まっている部分にも薬剤が重なり、ダメージが積み重なりやすくなります。

美容室では、その履歴を見ながら、必要な部分だけに施術することができます。(これも美容室の価格や美容師の技術や経験によるものが大きいです)。

違い④ トリートメントで整えるという考え方

美容室では、カラーのあとにトリートメントを組み合わせることが多くあります。触りを良くしたり、ツヤを出したり、仕上がりを整えるためです。

最近は「トリートメント配合」のカラーもあります。

ここでみなさんが思うのは「髪に良いものを中に入れている」というイメージです。

たしかに、カラーのときはキューティクルが開くため、成分は入りやすい状態になります。

ただ、ここで大切なのは、 髪が健康なっているわけでも、元に戻っているわけではない、ということ。

トリートメントは、主に手触りや見た目を整える役割です。

つまり、脱色などの変化が起きたあとに、見た目を整えているという構造です。

ヘアカラーの褪色でバサバサになる理由

ヘアカラーは時間とともに色が抜けていきます。これが「褪色」と呼ばれるものです。

このとき髪は、色が抜けているだけではありません。

メラニンが分解された状態に、さらに染料も抜けていくことで、中が空いたような状態に見えてきます。

これが、パサつきやバサバサ感の正体です。

さらにキューティクルの乱れも重なり、

・ツヤがなくなる
・手触りが悪くなる

といった変化が出てきます。

カラー直後は整えられているためキレイに見えますが、時間がたつと、その変化が見えてくるのです。

あなたの髪はどうなりたい?(髪に聞いてみよう!)

ここで、ひとつ考えてみたいことがあります。

「茶髪=若々しい」というイメージは、どこから来ているのでしょうか。

髪が明るくなるということは、メラニンが分解されているということ。

つまり、化学薬剤によって“変化させている状態”です。

それでも私たちは、明るい髪にどこか若さや軽さを感じてしまう。

この感覚は、いつの間にか当たり前になっているのかもしれません。でも、明るくなる=メラニンが壊されている。この仕組みを知るだけで、見え方は変わります。

ヘナは明るくなりません。
それは、髪を壊していないからです。

どちらが良い・悪いではなく、どうしたいかは人それぞれ。

お話会を通じて感じるのは、「選べるようになること」がとても大切だということです。

自分の髪はどうしたいのか。一度、髪に聞いてみるのもいいかもしれません😊


一緒に美髪を育てていきましょ!
ヘアライター/上條華江