最近、美容業界の記事を読んでいて、またまた気になるキーワードに出会いました。
「スモールマス市場」 という言葉です。
スモールマスとは、マスよりも小さいけれど、一定以上の規模を持つ市場を指すマーケティングの概念。
2015年に花王が提唱し、ビジネスの世界で広まっていきました。
かつて大手企業のマーケティングは、テレビCMなどを通じて「マス(大衆)」に向けて商品を訴求することが中心でした。
私自身、女性ファッション誌の現場で、その一端に関わってきました。
しかし現在は、消費者の価値観や悩みが多様化しています。さらにSNSの普及によって、同じ価値観や興味を持つ人たちがつながるようになりました。
その結果、特定の価値観を持つ人たちに向けた市場が生まれています。それがスモールマス市場です。
ヘアサロン業界でも広がるスモールマス
この考え方は、ヘアサロン業界にも広がっています。
美容室専売メーカーであるミルボンの坂下秀憲社長は、年始のインタビューで次のように語っています。
たとえば
・髪質改善サロン
・ハイトーン特化型サロン
こうしたサロンはすでにスモールマス市場の典型例です。
美容師が得意な領域や強みを発信し、その情報とお客さまがマッチングすることで小さくても確かな市場が生まれます。
つまりこれからの美容業界は、
美容師の強み × 共感するお客さまによって市場が作られていく時代なのです。
ヘナはスモールマス市場になりうるのか
ここで、ヘナについて考えてみたいのです。
現在、ヘナは美容業界の中では決して大きな市場とは言えません。ヘアカラーの主流は、今も化学染料によるカラーです。
しかし、ヘナを選ぶ人たちの理由を聞いているとある共通点があるように感じます。
・化学染料に不安がある
・頭皮や体を大切にしたい
・自然なヘアケアを選びたい
つまりヘナは、特定の価値観を持つ人たちに選ばれているヘアケアなのです。
これはまさにスモールマス市場の特徴と言えるのではないでしょうか!
自然派美容室というスモールマス
この視点で見ると、ヘナを扱う美容室という存在もまたスモールマスと言えるかもしれません。
現在の美容業界では、ヘアカラーやパーマなどのケミカルメニューが主流です。
その中で、ヘナや植物を使ったケアを中心にした美容室はまだ多くありません。
しかし
・化学染料に不安を感じている人
・頭皮や体への負担を減らしたい人
・自然なヘアケアを求めている人
こうした人たちは確実に存在しています。
そうした人たちにとって、自然派の美容室はとても貴重な存在です。
自然派美容室を増やしたい
ヘナの技術や知識は、美容学校で体系的に学ぶ機会がほとんどありません。
だからこそ、現場で経験してきた人たちが次の世代に伝えていくことが大切なのではないかと思っています。
私自身、長年ヘアライターとして美容業界を取材してきました。
その中で、ケミカル美容から自然派美容へと転換していった美容師さんたちの話も聞いてきました。
そして今、ヘナや自然な髪のお手入れについてお話しする機会も少しずつ増えてきています。
もし私にできることがあるとすれば、ヘナや自然派の髪のお手入れについて分かりやすく伝えていくことなのかもしれません。
ヘナはスモールマス市場を制するのか
ヘナはまだ美容業界の主流ではなく、ニッチな存在です。
しかし、
・健康志向
・自然志向
・頭皮ケアへの関心
こうした価値観が広がる中で、ヘナを選ぶ人たちは確実に存在しています。
そして、自然派美容師が少しずつ増えていけば、ヘナは美容業界の新しいスモールマス市場として広がっていくのかもしれません。
現在、日本社会は人口減少や物価高騰、人手不足など、大きな構造変化の中にあります。
美容業界も例外ではありません。
そうした背景を考えると、
髪を傷めて、トリートメントで補修する。
そんな従来型のヘアサロンビジネスには、どうしても無理が生まれてきているように感じます。
その一方で、ヘナのように
髪や頭皮を傷めず、育てていくケアには、これからの美容の可能性があるのではないでしょうか。
「ヘナのことを知りたい」
そんなメッセージをいただくことが増えています。
ヘナがスモールマス市場を制する。
髪から、社会が変わる。
その未来は、すでに始まっている気がします🌿
いっしょに未来の髪を育てていきましょ!
ヘアライター/上條華江

