クセ毛に悩んで半世紀。長時間のブロー、サロンジプシーの日々

ヘナカラーを体験した方々にインタビューをする「勝手にシン・連載!」
第一回目に登場は伊豆田んぼ仲間で、私と同世代のアラフィフ女性、CHIHOさんです。

美容系のお仕事をされているCHIHOさんは、「髪はいつもお客さまに見られている」という意識を持ち、ご自身のクセ毛と格闘する毎日を送っていました。
そんなCHIHOさんにヘナカラーデビューの体験談や、クセ毛で悩んだ日々、ヘアスタイルの遍歴についてお話を伺いました。

高田馬場のカフェにて、ヘアスタイル史を
お話してくれたCHIHOさん。
長時間のインタビューに付き合ってくださり、
ありがとうございました。


幼少期~小学生時代

「私が初めてストレートパーマをかけたのは、確か小3のとき。小学校に入学してすぐに『おまえの髪の毛、くるくるパーマ』と言われたのがきっかけだったかな。小学校に入る前からクセ毛には悩んでいて、クシで髪を一生懸命とかしていたら、クシが絡まってとれなくなってしまったことも。キャンディ・キャンディのようにくるくるのウェーブだった私の憧れは、メーテルみたいなストレートヘアだったの!」

CHIHOさんが初ストレートパーマをかけた当時は、板(パネル)を使って髪を伸ばすという手法がとられていました。これは、小3の女のコにはとても重たかったのでは⁈ 
(板を使ったストレートパーマをご存じない方は“ストレートパーマ 板”で、ぜひ検索してみてください。写真を上げている美容師さんがいらっしゃいますよ~)

「母からの提案もあり、ストレートパーマをかけてみたものの、気休め程度。結局憧れているメーテルのようなストレートヘアにはならなかったんです。小学校高学年のときは、前髪をストレートに伸ばして、ハチ上の髪をふたつに結んだダウンスタイルがお気に入りでした。学校の授業でプールに入るとドライヤーは使えずに自然乾燥だから、髪がグリグリになっちゃうのも悩みでしたね」

2~3歳の頃のCHIHOさん。
ヘアカタログのキャプションなら
「超キュートなくるりんウェーブ♡」と書きますが、
CHIHOさんにとっては、
この天然ウェーブが悩みの種に…。
ド直毛に悩む私とは真逆のCHIHOさんのお話
興味深い!
小学校に入学すると
「おまえの髪の毛、くるくるパーマ」と
男児に言われたそう。
キャンディ・キャンディのような
ウェーブのCHIHOさんは、
メーテルのようなストレートヘアに憧れていました。
小学校高学年のときは
前髪をストレートにブローして
ハチ上の髪をリボンで留めたダウンスタイルに。
上品キュートですよね~。

中学生~大学生時代

湿度の関係なのか、日によってウェーブの加減が違うのもCHIHOさんを悩まし続けたそう。中学生になってからも悪戦苦闘は続き、夜お風呂で髪を洗ったらドライヤー&猪毛ブラシでブロー。その所要時間は、なんと1時間。「当時はYoutubeもなかったので、ただひたすら鏡の前でブローするのみ。あの時間を勉強に使ったら少しは違ったかな(笑)」
あまりに長いブロー時間に辟易して、小3以来のストレートパーマをかけたときもあったそうです。「校則が厳しく先生から『パーマをかけている』と疑われてしまうこともありました。それもあって、必死にブローしたり、ストレートパーマをかけたり。自然でいることが否定されたような、悲しい気持ちもあったと思います」

高校生になると、今井美樹さんのソバージュヘアが流行。「ついに私の時代が来た!って感じ(笑)。学校に行くときは三つ編みをして、放課後はムースをもみ込んでウェーブのクセを出していました。バンドをやっていたのでバンダナやリボンを巻いたりして、ヘアアレンジも楽しかった」
大学時代は(レベッカの)NOKKO風にバンダナを巻いて学園祭のステージに立ったことも!

中学生の頃のCHIHOさん。
毛先の様子から
「思い切りストレートをかけていたみたい!」
入浴後の長いブロー時間があまりに大変で
小3以来のストレートパーマをかけることに…。
中学時代からバンド活動を開始。
自作のケミカルウォッシュデニムに身を包み、
リボンを巻いたヘアアレンジで大学の学園祭に。
天然のウェーブがロックガールにお似合い♪

20~40代

就職後の20~30代にかけて再び受難の時代に突入。長時間ブローに費やしたり、縮毛矯正を繰り返すように。「私の髪の悩みを理解してくれる美容師さんがいなくて、20~30代は美容室を転々とするサロンジプシーでしたね。40代のとき、縮毛矯正が得意なサロンを紹介されて、しばらくそこに通い続けていました」
そのときの施術メニューは、縮毛矯正+デジタルパーマ+カラー(白髪染め)+カット+トリートメントで、4万2000円もの出費になっていたそう。「サロンに行くのは3~4ヶ月に1回。縮毛矯正で毛先はストレートにならないので、デジタルパーマでカールをつけていました。1回でおこなうメニューが多すぎて、イタ~い出費ですよね。美容師さんは沢山のメニューを提案してきて、メニューを減らしてくれることはないの? というのも疑問でした」

40代になって全体をカラーリングしていると、顔まわりに生えてくる白髪が気になってしまうのもネックに。「仕事では髪をひとつにまとめているので、顔まわりの白いものって目立つんですよね。出勤前の朝、月に2~3回はホームカラー用の白髪染めを使って部分染めをしていました。サロンでは髪を明るく染めて、自宅では白髪染めを使って……。ダメージがどんどん深刻になっている感覚もありましたね」

縮毛矯正をしていた23歳の頃。
ヘアスタイルのバックが分かる貴重なお写真。
「この頃は毛量もツヤもまだありましたよね」と
当時を振り返るCHIHOさん。
40代で縮毛矯正をしていたときのお写真。
縮毛矯正をしても、
直毛の人とは違う質感なのが悩みだったそう。
湿度がある日はボワッと広がり、
ツヤがなくダメージも気になる状態に。
髪をひとつまとめると、顔まわりの白いものが
気になってしまい
月に2~3回は自宅で白髪染めをするように。
美容関係の仕事をしているため
「髪はいつも見られている」という意識があり、
ダメージが進行しても白髪染めを
やめることができなかったそうです。

50代目前で出会ったカーリーガールメソッド


50代を目の前にして「このまま縮毛矯正と白髪染めを続けていくのは無理ではないか?」と思い始めたCHIHOさん。毛先が“とうもろこし状態”になり、髪のダメージが進んでいるのを実感するようになったそうです。以前の写真と見比べると、ボリュームもダウンしているように感じたとか。

「一昨年、『カーリーガールメソッド』というのがあるを知り、縮毛矯正を止めて天然のクセ毛を活かしてみようと、トライしてみました。そのメソッドは、保湿しながらジェルを使ってカールを活かしてスタイリングするもの。髪全体を明るくして、さらに筋状にメッシュを入れて立体感を出すと、よりカールが活きて外国人風のウェーブヘアになれるので可愛いと思ったの(笑)。だから、大胆にブリーチでハイライトを入れてみました。明るいほうが白髪が生えてきても目立たないし一石二鳥! と思って始めたのですが、これまたダメージが進むという結果に……」
縮毛矯正を止めただけでは、ダメージの進行は止まらない⁈ と、また悩むようになったと言うCHIHOさん。

ヘナカラーという選択肢

負のループに陥っていたCHIHOさんがヘナカラーに興味を持ったのは、今年2月のこと。「30代のときにへナタトゥーをしたことがあった」というCHIHOさんですが、当時はヘナカラーにはほとんど興味がなかったのだそう。

30代のときに日本在住のインド人の料理教室で
ヘナタトゥーを体験!
このときはヘナカラーには
全く興味が湧かなかったとか…。


私(ライター上條)が「ヘナカラーという選択肢もあります!」とCHIHOさんに伝えたところ、動画やネットでヘナカラーについて猛勉強。
「ヘナ=強烈なオレンジになるの⁈」「インディゴを重ねたら暗い髪色になっちゃうの⁈」という不安を抱きつつ「ま。失敗したらしたで、どうにかなるでしょ!」とチャレンジ精神でヘナカラーデビューを決意します。

CHIHOさんがヘナデビューしたのは3月、北千住の自然派サロンemieにて!
emieの代表の恵美子さんと私は今年になって交流を始め、CHIHOさんに「ぜひ行ってみて!」とオススメしました。(私の推しを受け入れてくれたCHIHOさん、ありがとう)

北千住の自然派サロンemieへ

北千住の自然派プライベートサロンemie代表の恵美子さん。
サロン内のハーブやお花に癒されます。
鼻につくような化学薬品の匂いも一切ありません。
ケミカルな美容室に慣れている人は
この居心地の良さをぜひ味わってみて。


ヘナカラー前の髪の状態。
縮毛矯正は止めたものの
全体にハイライトが入っていて
切れ毛が気になるように。
排水溝の抜け毛の本数にも驚いていたそう。
emieでヘナ初体験のCHIHOさん。
ヘナを塗布後に一旦流し、インディゴを塗布することで
オレンジ色を抑えて
ライトブラウンに染まるように調整を。

毛先まで手グシが通るのを初めて体験!

emieの恵美子さんに髪の状態を見てもらいながらカウンセリングを受け、“重ねインディゴ ”というメニューをチョイス。まずはヘナを全体に塗布して髪&頭皮のトリートメント効果をアップ。一旦流してからインディゴを重ねることで、ヘナ特有のオレンジ色を抑えることが可能に。

施術を終えたCHIHOさんの感想は⁈「わぁ~。毛先まで手グシが通る!」というものでした。

「毛先まで手グシが通るって、私以外の人は普通のことなのかもしれません。でも、私にとっては本当に奇跡的で嬉しかった! それだけでヘナは素晴らしいと思いました。前髪の自然な立ち上がりにも感動」
施術を担当したemieの恵美子さんには「顔まわりに比べるとバックは白髪がほとんどないため、白髪染めに含まれる過酸化水素などの成分により顔まわりだけ脱色が進み、白髪のように見えてしまっているのかも」と言われたそうです。

サロンからご自宅に帰って、撮った1枚。
CHIHOさんの天然のクセを活かした
ステキなウェービィボブに
仕上がりました。
思ったよりもオレンジにならず、
暗すぎることもなく
ホッとひと安心だったそう。
この写真でも、前髪のふわっとした
立ち上がりが分かりますよね。

初ヘナ体験から3ヶ月が経ちました。いまではCHIHOさんは自分でヘナを塗布することにもすっかり慣れて週1ペースでヘナ染めを! 全体を染める日もあれば、白髪が気になる部分のみを染める日もあるそう。

週1で自宅deヘナカラーを。
ケミカルな白髪染めや縮毛矯正を卒業して
ナチュラルヘアライフをエンジョイ中!


「色々なメーカーのヘナやインディゴを家で試しています。先日は顔まわりをヘナで染めて、その後ヘナ+インディゴのブレンド粉を重ねたけれど、ヘナのオレンジが残ってしまって、ちょうどいいブラウンにはならなかったの」と、オレンジ色の顔まわりが気になるとの話も…。

「顔まわりだけ部分染めしたら思ったような色味にならなくて…」と
話すCHIHOさん。
自宅でおこなうヘナカラーの良し悪しについても
教えてくれました。
ありのままのウェーブは、
中間よりも毛先のカールが強かったり、
日によってカールの強弱が違ったりするそう。
自分の髪の状態を知り尽くしているCHIHOさんのお話は
とても参考になりました。

ヘナカラーを3ヶ月間続けてみて、どうだった?

CHIHOさんにとって、ヘナの良い点は?
「疲れて家に帰っても『ヘナやろう!』って思えるような、心地よさが魅力。頭皮や髪が脂っぽいわけでないのだけど、髪に膜ができたような感覚があって、丈夫になっていくのを実感。この3ヶ月で以前より確実に髪がボリュームアップしています。
いままでは無理矢理にヘアスタイルをつくるためにダメージを与えるケミカル施術だったんですよね。髪が生まれる地肌をヘナで健康に若く保ち、髪本来のツヤやカールを大切にしたら、価値観も変わってきました。半世紀もの間、自分の欠点だと思っていた髪を受け入れられるように!
自然の恵みのヘナの天然色素が毎回どのように発色するかはワクワクするし、ヘナでステキな色が発色するから、むしろ加齢で白髪が増えることも楽しみになってきました。

最近はインドのブロックプリントなど、エスニック系ファッションにハマっていて、天然ウェーブとの相性がいいのも嬉しい発見です♡」


ヘナのイマイチな点はありますか?
「これは“良い点”と紙一重です(笑)。ケミカルと違って思った色に染まらないときもあります。『何でもアリ!』と思って、ヘナの天然色素の色の出方を楽しんでほしいな。失敗がこわい場合は、自分では染めずにサロンで染めるという選択もありますよね」


最後にクセ毛で悩む方へのメッセージを!
「私のようにクセ毛でずっと悩んでいる方がいらしたら、ヘナで髪質が変わり、扱いやすくなることをぜひ知ってほしいです!」


様々な施術を体験したCHIHOさんのお話は、長年ヘアライターとして取材をしている私にとっても学びとなりました。本当にありがとうございました。

CHIHOさんのヘナデビューをサポートしたemieの恵美子さんの新しい挑戦にも乞うご期待♡
7月15日にオンラインお話会を初開催の予定です。
薬草ヘナ
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ナチュラルな髪のお手入れで未来の髪を育てていきましょ♪
ヘアライター上條 華江