シャンプーでスッキリ洗う前に、パッケージの裏をよく読もう!

7月に入りジメジメ&暑い毎日が続いています。これからの梅雨の季節や真夏にかけて、スッキリとシャンプーで髪を洗いたい! と思う方も増えそうです。
でも、シャンプーやトリートメント(コンディショナー)を購入する前に、パッケージの裏はよく読んでいますか? 実際、いま家にあるシャンプーやトリートメントはパッケージの裏をよく読んで選びましたか?
いや、カタカナばかりで読んでもよく分からない。てか、全く意味が分からない。という人がほとんどだと思うんですよね。

この夏、期間限定発売の「ボタニスト シャンプー&トリートメント」は#想像以上にアイスピーチティー らしい。「髪にアイスピーチティーの香りはいるのだろうか?」と突っ込まずにはいられません! 髪から身体から衣服から色々な香りの大渋滞で、化学的な香料による香害に悩む人も増えています。

ひんやりクールな清涼成分としてハッカやメントールを配合。
パッケージの可愛さや香り、洗浄の際の泡立ちや使用感で
シャンプーやトリートメントを選んでも
実は美髪にならない、という現実が…。

成分を検索してみると

ネットで検索して、「ボタニスト | シャンプー スムース アイスピーチティー」の成分についてリサーチしました。

成分:水、ココイルメチルタウリンNa、コカミドプロピルベタイン、ラウレス-4カルボン酸Na、ラウリルベタイン、シラカンバ樹液、ガラクトミセス/シラカンバ樹液発酵液、マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル、加水分解野菜タンパク、トウミツ、スフィンゴ糖脂質、グリチルリチン酸2K、ブドウ種子エキス、
テルミナリアフェルジナンジアナ果実エキス、ホホバ種子油、リンゴ果実エキス、モモ葉エキス、モモ果汁、チャ葉エキス、カワラヨモギ花エキス、ツボクサ葉/茎エキス、セイヨウハッカ葉エキス、酒粕エキス、加水分解コラーゲン、加水分解ヒアルロン酸、セラミドNG、加水分解ケラチン(羊毛)、アルギニン、リンゴ酸、水添レシチン、フィトステロールズ、水添リゾレシチン、グリセリン、BG、DPG、ポリクオタニウム-10、ラウラミドプロピルベタイン、ラウリルヒドロキシスルタイン、ラウラミドプロピルヒドロキシスルタイン、デシルグルコシド、PEG-30水添ヒマシ油、PPG-4セテス-20、PEG-40水添ヒマシ油、コカミドMEA、PEG-400、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、ベヘントリモニウムクロリド、ジステアリルジモニウムクロリド、EDTA-2Na、エタノール、塩化Na、トコフェロール、メントール、PCA-Na、コカミドメチルMEA、フェノキシエタノール、安息香酸Na、香料


この成分を見て、これが美髪へと導いてくれるシャンプーなのか? 消費者にはなかなか分からないと思います。
シャンプーは水が約60~80%配合されているのが一般的なので、その次につづく成分上位5つについて調べてみました。

●ココイルメチルタウリンNa(陰イオン界面活性剤)…タウリンを原材料にしてつくられた洗浄成分。従来の高級アルコール系洗浄と比べると非常に低刺激の成分。
●コカミドプロピルベタイン(両性イオン界面活性剤)…低刺激の洗浄剤として用いられる両性イオン界面活性剤。非常に低刺激な洗浄剤のため、ベビーシャンプやー敏感肌用シャンプーに配合される。陰イオン界面活性剤の刺激を緩和する目的でも使われる。
●ラウレス-4カルボン酸Na(陰イオン界面活性剤)…石けんと似たような構造を持ちつつも弱酸性で「酸性石けん」と呼ばれることもある。比較的強い洗浄力を持ちながら低刺激。
●ラウリルベタイン(両性イオン界面活性剤)…洗浄剤として用いられる両性イオン界面活性剤。両性イオン界面活性剤の中ではやや刺激がある。
●シラカンバ樹液…地肌ケア成分として配合

配合量の多い成分を見てみると、強い洗浄成分は使われていないと言えます。しかし、その成分の組み合わせによる刺激は未知数ですし、安息香酸Naや香料なども髪や頭皮、身体にいいものとは言えません。

さらに、シャンプーの次に使うことになるトリートメントの成分(上位3つ)を見ると
セテアリルアルコール…バームやナタネなどを由来とする。クリームや乳液の乳化を安定させたり、硬さを出す目的で使用される。
ジメチコン…シリコーンオイル。酸化安定性、撥水性や潤滑性に優れ、独自のやわらかい使用感を持つすべりのよいオイル。
グリセリン(水性成分)…保湿力が高く、しっとりしたうるおいを長時間キープする保湿剤。

このような保湿効果の高いトリートメントを使うことで髪はしっとりと重たくなってしまいます。すすぎ残しによるニキビの原因にもなりがち。
スッキリ爽快感のあるシャンプー&保湿効果の高いトリートメントの組み合わせにより、結果的に毎日洗髪しないとスッキリしないという負のループに陥ってしまうわけです。

毎日みなさんがシャンプー&トリートメントをプッシュしてくれる数だけ、売り上げがアップ。「〇秒に1本売れた!」なんて宣伝文句が生まれる結果になるわけですね。

“情緒的”パッケージによるプロモーション戦略

今回取り上げた「ボタニスト」は新興メーカーのIーNE(アイエヌイー)が販売・発売元です。

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高価格帯シャンプーのヒットの先駆けとなった「ボタニカル」。
新興メーカーの登場により大手老舗メーカーが苦戦を強いられ、
シャンプー市場は複雑化。
情緒的価値に着目し、パッケージにチカラを注いでいる。
季節ごとに期間限定の香りが登場し
飽きさせない工夫も。


昨年大ヒットした「YOLU」も新興メーカーのIーNE(アイエヌイー)が販売・発売元。
情緒的価値観とインフルエンサーマーケティングで消費者の購買意欲を刺激する戦略です。

娘も愛用中の「YOLU」。
成分的にも重ためのシャンプー&トリートメントだと
思いますが
娘は「ツヤツヤになる、香りも好き」と言っています…。


つづいて注目するのはハチミツ美容の「アンドハニー」。パッケージに投資比率を高めたとのことで、成分に投資して~と、これまた突っ込まずにはいられません。

シャンプー1本1,500円のプレミアム価格はもはや当たり前に…。
パッケージ代が何割なのでしょうか? 


最後に、斬新なパッケージだな~と思わずうなったシャンプーがこちら! 佇んでいるだけでキラキラした存在なので、パッケージの裏面を見るのは忘れてしまいそうです!

低刺激な洗浄成分やハイクオリティーな
美容液成分にこだわった製品なのは確か。
お風呂場に置いておくだけで
ワンランク上の女性になった気分になれる?

そんなこんなで昨今のシャンプー市場はいかに情緒的であるか? というのがヒットの要因のようです。

一概に合成界面活性剤といっても、すべてが悪いわけではありません。使い心地や髪や頭皮の状態に問題がないと感じれば、使い続けてもいいでしょう。しかし、シャンプー市場は大手老舗メーカーと新興メーカーがしのぎを削り、複雑化しています。合成界面活性剤の種類も数えきれないほどあり、その選択は非常に難しいです。ドラッグストアやネットで本当に良いものを見つけるのは至難のワザとも言えるでしょう。

まずは避けたほうがいい合成界面活性剤の成分として覚えておくといいのが
ラウリル硫酸〇〇
ラウレス硫酸〇〇
ラウリルベンゼンスルホン酸Na
オレフィン(C14-16)スルホン酸Na

です。
洗浄力や刺激性が強く、頭皮に負担をかけて、老け髪になってしまうことも……。泡立ちの良さやスッキリ洗い上げてくれる使用感、香りでシャンプーを選ぶのは避けましょう。

シャンプーやトリートメントが私たちの美しい髪を約束してくれるわけではありません。白髪や薄毛、うねりなどの問題を根本から解決してくれるわけではないことを知ってほしいと思います。


さて、シャンプーのプロモーションやパッケージに惑わされずに、私たちが美髪を育てていくにはどうしたらいいのでしょう? ぜひ以下の7つに着目してほしいと思います。
①体内から美髪を育てる食材や飲み物を知る
②冷え性に悩む人は、血流をよくしよう
③液体シャンプーからオールハーブのパウダーシャンプーへとシフト
④ケミカルなカラー剤からヘナカラーへとシフト
⑤天然素材のオイルを活用する
⑥ブラッシングや頭皮マッサージをしよう
⑦髪の乾かし方を見直そう

パウダーシャンプーやヘナについては、blogでも何回か書かせていただきました。
ほかの情報についても、今後お伝えしていきますね。

白髪や薄毛にお困りの方、いっしょに健康な髪を育てていきましょ!

ヘアライター 上條 華江