髪は角化した細胞だけど、頭皮は生きている!

今回は、ずっと書きたいと思っていた「インナービューティー」についてのお話です。基本的に「不健康だけど、髪だけは美しいの!」ということはあり得ないと考えています。体にいいことは髪にいいし、その逆も然りと言えるのではないでしょうか。
でも、髪=ヘアスタイルとして捉えてしまうのか、ファッション的要素が強いと感じている人が多いようです。美髪を育てる基本は、頭皮を健やかに保つことにあり、健康な体づくりと直結しています。

まずは、ここで髪の毛の成分構造についてお勉強。
髪はケラチンタンパクが主成分です。髪は角化した(死んだ)細胞ですが頭皮は生きています。これから生えてくる髪を美しく育てていくためには、タンパク質を摂って頭皮環境を整えることがとても大切。(髪の毛にいくらいいトリートメントを使っても意味がないというのは、これも理由になります)
また、ケラチンの合成に欠かせないのが亜鉛とビタミンです。亜鉛は体内では生成できない必須微妙ミネラルといわれており、タンパク質やビタミンを摂ることで生成されてパワーを発揮します。お互いに補い合う関係性であり、栄養をまんべんなく摂らないと、ひとつひとつの栄養素が持つ力を存分に発揮できません。健康な体と髪をつくるには「コレだけ食べておけばOK!」ということはなく、様々な食材をまんべんなく組み合わせて食べることが大切というわけです。

髪の毛の成分構造を調べると
ケラチンタンパク質が70%の割合を占めています。
非ケラチンタンパク質10%と合わせると
タンパク質が80%の割合となり、
タンパク質は私たちの髪や体をつくる
もとになる、はたらきをしています。

和食を中心にした「まごわやさしいこ」で、偏りのない食事を

と言いましても、実は私はあまり料理が得意ではないので、つい手抜きをしがちです(苦笑)。
それでも「知っているのと知らないのとでは大違い!」ということで、まんべんなく食材を摂る目安として
「まごわやさしいこ」という合言葉を心がけて、家族の食事をつくっています。

「まごわやさしいこ」は、日本の伝統的な食材をバランスよく摂取するための覚えやすいフレーズです。最近はこれに「肉」も加わって「まごにわやさしいこ」という言い方をすることもあるよう。
肉のなかでも特に「鶏肉」は頭皮&髪にいい、ということで3月31日の美髪ランチ会でも、管理栄養士のうちやまゆみこさん監修の「鶏肉飯(ジーローハン)」をお出ししました。

和食中心のメニューは
髪にも体にもGOOD!
長いもや納豆などのネバネバ食材には
コラーゲンが多く含まれ、
髪のツヤやハリをアップします。

できるだけ自炊をしたほうがいいのは言うまでもないのですが、外食をする場合はパスタ、ラーメン、カツ丼といった単品を選ぶよりも定食を選んだほうがいい、と覚えておきましょう。

髪にいい栄養素を浪費してしまう「超加工食品」

一方で、せっかく摂った髪や体にいい栄養素を台無しにしてしまう「超加工食品」をみなさんは知っていますか? 最近ネットでも話題になっており、3月に参加した「食の安全セミナー」でも気を付けるべき食品として紹介されていたので、調べてみました。

●超加工食品とは?
すぐに食べたり、温めたりできる。
非常に口当たりが良い。
洗練された魅力的な包装がされている。
健康的であることを謳っている。
全世代に向けたマーケティングが多方面に多く展開されている。
利益率が高い。

国際的な企業によりブランド戦略が組まれ販売されている。

【NOVA分類によるもの】
様々な食品を4つのグループに区分するもので、2009年にサンパウロ大学の教授らによって提唱されました。現在では多くの国で研究に使われています。

グループ1|未加工あるいは最低限加工した食品
植物の種子、果実、葉、茎、根、動物の肉、卵、水など。これらに乾燥、ボイル、冷蔵、冷凍、真空パックなどの加工をしたもの。

グループ2|加工した料理素材
圧縮、精製、製粉などの加工で作られたもの。自宅やレストランのキッチンで、グループ1を用いて調理する際に使う食材。

グループ3|加工食品
グループ1にグループ2を加えて作る比較的単純な食品。

グループ4|超加工食品

超加工食品は体にとって異物であり、元気な髪を育てるために重要な「腎臓」や「肝臓」に大きな負担をかけます。髪に必要な栄養素を浪費し、多く食べ過ぎると老け髪・老け顔の原因にもなるので、控えたほうがよさそうです。

うう~分かっちゃいるけど、やめられない!っていう
クッキーやパンも超加工食品でした。
街のいたるところに誘惑がありますよね。
できるだけ控えたい食品として
頭の片隅にメモを…。

食品のマーケティング戦略とシャンプー(ヘアケア剤)のマーケティング戦略はとても似ている! と、つくづく感じます。健康的なことを謳っていたり、全世代に向けたマーケティングが多方面に多く展開されていたりするので、注意が必要です。
甘いキャッチフレーズとイマドキなパッケージにはご用心くださいませ。古いもの、伝統的なものにこそ「美」のヒントが隠されています♡

白髪や薄毛にお困りの方、いっしょに健康な髪を育てていきましょ!

ヘアライター 上條 華江